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11.23.2012

Bal Thackarey と IT Act Section 66A

先週、FBのインド人の友人の間では
極右派シヴ・セナ党のリーダーBal Thackarey(バール・タッカレー)が亡くなったと話題だった。
このタッカレイとかいう人、移民排斥を推進する人で、イスラム教徒の排斥も行い、1992年の12月から93年の1月に起きたヒンドゥーと、ムスリムの間で起こったボンベイ暴動では、このシヴ・セナが中心となり900名の死者が出た。イスラムはインドの癌だと言ったり、ヒトラーを敬愛していたりとかなり思想が危ないナショナリストなのだが、共産党排除を掲げることで、財界や労働階級の人から支持を受けており、特にムンバイでの影響力が強かったよう。

インドではお葬式って、故人は棺桶に入ってるわけじゃなくて、いつも丸見えなのだ。
たまに会社に行くときとか、お葬式に遭遇するときがあり、見なくもないのによく顔が見えてしまう。

このタッカレーの葬儀も本人丸見えだったのが、さらに驚くのが下の映像
(*良くは見えないけど、グロいのが嫌いな方はご遠慮ください。)

[youtube http://www.youtube.com/watch?v=zOGPOefm3Lw&w=420&h=315]

おいおいおい!!!火葬が生中継されてるよ!(笑)
死が身近にあふれているインド、火葬の映像くらいではみなさんびっくりしないようです。
(実際、前の会社の隣の隣が火葬場だったし、通勤途中も丸見えな火葬場があったなー)

しかしこの葬儀の様子、もう国葬に近いくらいの規模と支持者で埋め尽くされており、
タッカレーがどれほど支持を得ていたかお分かりいただけるだろう。

タッカレーが死去した16日、ムンバイ全域ではこの死去を受けて喪に伏すためほとんどの店が閉まり、ゴーストタウンと化したそうだ。一部ではシヴ・セナの支持者による暴動もあったとか。


外務省も注意喚起を出してた。
http://www.mumbai.in.emb-japan.go.jp/jp/chiananzenjyouhou/anzenjyouhou/2012/11/safe_2012_11_16.html

そんな中また事件が発生。
ある21歳の女の子がこの件について、”men like Bal Thackeray die every day and there was no need for a Mumbai bandh, at around 7 pm” タッカレーのように、毎日人は亡くなっているのに、わざわざムンバイの店すべてを閉める必要があるのかといったような疑問をFBにコメントし、もう一人の女の子がそのコメントに"Like"をしたところ、二人とも逮捕されてしまったのである。

詳しくはこちら
http://www.indiatvnews.com/news/india/two-girls-arrested-for-facebook-post-slamming-mumbai-bandh-18680.html

どうやらこのコメントを読んだシヴ・セナの支持者が警察に密告したらしい。
そもそもなぜ逮捕まで?という疑問があったのだが、ここへきて争点になっているのは
インドの法律の中の、IT法66A項にあるらしい。

この項目で記載されている侵害行為とは、

a)any information that is grossly offensive or has menacing character; or
b)any information which he knows to be false, but for the purpose of causing annoyance, inconvenience, danger, obstruction, insult, injury, criminal intimidation, enmity, hatred or ill will, persistently by making use of such computer resource or a communication device,
c)any electronic mail or electronic mail message for the purpose of causing annoyance or inconvenience or to deceive or to mislead the addressee or recipient about the origin of such messages.

簡単に言えば、携帯などの電子ツールを使って、不快なメッセージなど送ることは不法行為であり、
最長3年の懲役と罰金刑が課せられると記載されているのだ。

が、この法令があまりにも大雑把で、具体的な記載がされていないため、受け取る側によって如何様にも取れてしまうので、警察に通報されると事実上、決定権は警察側に委ねられてしまっている実情があるらしい。

今回の逮捕はこの法に触れたらしいのだが、こんなの言論の自由の侵害だと弁護士はじめ、国民からも不満が大噴出。今回で明るみになったこの法律だが、過去にこれで不当に逮捕された人のインタビューなんかが新聞に載ってて、今はこの話題で持ちきりだ。

確かに、警察という特権によってこの法律が乱用されてしまうのはよくないですねー。
一度法改正されたらしいのですが、また改正が必要かもしれないですね。

表面的には新興国でこれから急成長が期待されて、印象のいいインドにみえますが、課題はいっぱい。
シヴ・セナのような危険な思想の人もいるし、貧困とか、カーストとか、わいろとか、アナーキーなインドな部分も残されているし。
どこも政治家や警察は腐ってるんだなーほんと!

さてさてこれからインドはどこへ向かうのやら・・・。

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