少し前になりますが、バイザックへ帰った際に前々から行きたかったポンドル村のカディを見学してきました。
カディとは手紡ぎ手織り布のことで、綿の自然な色合いが特徴です。
インド独立運動時代に、イギリス製の機械で織られた布に対抗するため、ガーンディがインド中で広めたカディ。
何でもポンドル製のカディは特にお気に入りだったそう。
飛び入りで訪問してみたのだけど、丁度バイザックで行われていた海軍演習の展示コーナーに
糸車は貸し出されているとかなんとかで見学は無理といわれてしまった。
しかし付き添い、兼通訳で来てもらった友達のお父さんがアンドラプラデッシュ州の公務員のまぁまぁな地位にいることを言うと、見学許可が!(笑)なんだかなぁ。
ということで、一般家庭で普通に行われている手紡ぎ作業をまず見せてもらうことに。
葛篭に入れた綿。地元で取れるみたいです。
綿花をこの魚の顎で梳かします、魚の顎ってこんなになってるんですねぇ。
鉄の棒で綿花を伸ばしながら種を取り除きます。
弓打ちという、糸でバインバインと弾きながら小さなゴミなどを飛ばします。
ふわふわの綿を、機械に入れて(名前忘れました)、形を整えます。
これを6回繰り返すそうです。
縦にきれいに整った綿。本当に麺のようですね。
これをさらに弓打ちし、ふわふわとさせます。
ふわふわになった綿を鉄棒で少し平たくしてから木の皮の中に丸め込みます。
そしてチャルカという糸車を使って生糸にしていきます。この作業がもっとも高度で、
早い人で4時間、慣れていない人だとその倍は掛かるそうです。
こうやって糸を巻き上げ、1カウント(=1000m)の長さまでためていきます。
1カウントまで紡いだらまとめて、中尾巻きならぬ、糸をねじっていきます。
そして出来上がった糸!
1カウント紡ぐだけでも多くの手間が掛かっています。
紡ぎ手はポンドルだけだと1000人くらいいるらしいのですが、
何せ大変な仕事なため、若い人では最近この仕事はやらないのだそう。
続いて、機織りの現場も見学させてもらいました。
使う糸は仕上がりをよくするため、あらかじめ糊付けしておきます。
このおじさんはお父さんから機織りを教わり、もう40年以上この仕事をしているそうですが、
こちらも職人がとても少なくなっていて、今は60人いるかいないか。
大体35m織るのに2ヶ月。根気強さがいります。
画像の中央、糸が少し茶色くなっている部分があるのですが、
これは15メートル毎に印をつけていて、牛糞を使って染めているようです。
細かくそれでいて風通しのよいカディ布。
左がブリーチした布、右の人が着ている服がカディを使った洋服。
やはり色合いが全然違いますね。
こちらでは機械を使った糸紡ぎも行われています。
効率はいいですが、やっぱり情緒が一気になくなりますね・・・。
仕事が大変な割にはあまり大きな稼ぎにはならないし、
まして最近の若者でカディに興味のある人なんて少なくなってきているのもあり、
どんどん職人さんも減ってきて、現在ではピュアカディは大変貴重なものになってきています。
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